師走のある朝

師も走る師走、わたくしは走らないわよーーー!笑

今朝、店に来る途中

一人の男の人が荷台に載せた木臼を運んでいた

あれ、もう餅つきの時期?

へぇ、まだ餅つきしてるんだぁ

小さい頃、となりに住んでた伯父一家と

12月の最後の頃に餅つきをしたなぁ

伯母さんは前の日からもち米を磨いであって

どんどんふかして臼の中に放り込むと

寒い朝の空にぱあっと白い蒸気がたちこめたっけ

いとこや皆で交代で餅つきして亡き父もまだ若くて元気だった

ほんの数秒間懐かしい思い出

気づいたらこの仕事に入ってから年末は休めないから一度も餅つきってやってない

息子にも一度経験させてやりたいなんて思って

ふと先ほどの男の人の荷台が段差につまずいて苦戦している

私の車が通りこす

その時荷車の横を通りかかった杖いた老年の男性が見えた

その人は一度は通りすぎた後、また引き返して荷台を一緒に押そうとしてる

え、足が悪いのに??

勢いついた荷台は無事段差をこえた

バックミラーに映る2人の姿にしばし見とれる

自由ではない自分の身を推して他人に力を貸した初老の男性の

見て見ぬふりもできたのにそれを良しとしなかった彼の行動にちょっと胸があつくなった

これぞ日本人の原点!!ちょっと大袈裟な表現だけど

こんな光景に出くわし、昔の思い出が蘇えったのもあり師走の

朝から清々しい気持ちにさせていただきました

心の中でおじさんにそっとお礼を言いました

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